「遅れてすみません」

私が音楽室に着いたのは本鈴が鳴ってから5分後のことだった

熱を帯びた足を隠して
私は自分の席へと向かった


「待ちなさい!遅刻した理由は!?」

「別に。理由なんてないですけど」

そう言って椅子を引いて席に着く
みんなが私を見ていた
それも、先生がまだぶつぶつ文句を言ってることも
全て無視して私は窓の外を見る


足が、痛い

ただそれだけだった


誰だろう
私を階段から突き落としたのは

考えて答えが出るはずもなく

私はつまらない授業を子守歌にして眠りについた