歩けば歩く程、薄暗い空間が広がる。


繁華街とは、何故こうも“繁栄”と“荒廃”が同居するのだろうか…



そして、和也とスミレは、怪しい男たちによって、ビルの隙間の細い路地へと誘われていく。




間もなく、少し大きな空間に出た…




見上げると空は見えるものの、空間全体は薄気味悪く、光は細い線でしか降り注いで来ない…



遥か上空の光を眩しく思いながら、俺は視線を前へと戻す…



すると、さっきとは異なる空間が目の前に広がっていた。



単なる空間にしか見えなかったその場所は、荒れた土地の居酒屋っぽい、一種のたまり場の様な所に変わっている…



和也は、たまらず目を擦る。