「星羅って、天然系“お人好し”ですね。
…ところでスミレさん。
もしかして、もうアングラって近いですか?」
商店街で買い物をしてから、既にかなり移動した。
和也は、エコバックにネギを入れ、肩にかけたままだ。
いい加減に居心地が悪くなってきたらしい…
「“お人好し”なんて、星羅に直談判した和也くんは言っちゃダメだと思うなぁ…
もうすぐ着くけど?」
「つけられてますけど、敵ですかね?」
実は、もうかなりの距離をつけられていた。
スミレと和也の後方に2人、斜め前方に1人。
しかも、普通の人間が尾行するには、かなりの距離が開いている為、相手は能力者に違いない。
和也がソワソワしていたのは、決してネギ入りエコバックのせいでは無かったらしい…
「敵じゃない!とは言えないけど…
私はアングラにも顔が通ってるから、ハンターじゃなければ攻撃はしてこないと思う。」
「…判断が難しいですね。
撒きますか?」
相変わらず3人の鋭い視線が注がれる。
和也とスミレは出来るだけ自然に歩きながらも、尾行の3人の動向を見守っていた。
しかし…
「渡辺スミレさんですよね?」
そう声をかけてきたのは4人目だった。