「星羅ちゃん、しばらくはここに籠もるんでしょう?」

「あっ、はい…
 さすがにこれだけあると…」

星羅はぐるっと部屋を見渡す。
どう眺めてみても、敷き詰められた本とファイルの量は減りそうに無かった…

「必要な事をさらうだけでも、時間がかかりそうです。」

「当面のターゲットは?」

「綾瀬総合病院です。」

「あそこかぁ。
 こっちでも探り入れた方がいいよね?」

「えぇ、お願いします。
 私はしばらくそちらへ回れそうも無いんで…」

「じゃ、こっちは任せて!!
 星羅ちゃんはくれぐれも根詰めないように!!」

「はい。

 ねぇ…和也?」


「あぁ…なに?
 何か、俺だけ取り残されてるんだけど!?」

「くく…そうかもね。
 和也は、スミレさんのサポートをお願い!

 スミレさんの能力は、攻守ともに抜群だけど、パーフェクトじゃ無いわ…

 頼んだわよ。」


「あぁ…
 任せとけ。」


明確な言葉にしないまま、一種の「同士」に近いグループが、出来上がっていた。

その事に、3人が3人とも気付いたが、敢えて誰も口にしようとはしなかった…


いや、その必要が無かった。


恐らくは、3人が3人とも、信じられる相手だと感じていたから…