「万理華…?」

この顔、この声…

バッと顔を上げる。

「た、武人…」

久々の武人だった。

「万理華、おまえ…」

「あのね、もうすぐで退院できることになったんだよ!」

「この男、だれ?」

「え…?」
「だれって、勇人だよ」
「あ、木下勇人くんって言って同じ病室なの。」

「全然、俺や雪にほんとうのこと教えてくれなかった理由はその勇人ってやつがいるからなのか?」

な、何言ってるの…?

「勇人とあたしを疑ってるの…?」
「ちがうよ、同い年で…」


「もういい」

そう一言だけ残して、武人は去っていった。