「あたしは、大丈夫ってことですか?」

「そういうことです。」
「万理華さんの資料と万理華さんと同じ病室の ある高校生さんの資料を間違えてしまってね。」
「よくあることでもない。
これは我々の責任です。
本当に迷惑をかけてしまってすまない。」

へ…

よかった…

あたしに異常はないってことだよね。?


ホッとした。
今までにないほど。

「万理華さんのお母さんには、
我々から間違いを伝えておくから。
心配しなくていい。」

「あのっ、あたしはいつ退院できるんですか?」

「一応、資料が整ってからかな」

はやく退院したい…




あ、、でも待って?

あたしがその高校生の代わりに抗がん剤治療を受けてたって事は…

その高校生さんはどうなるの?
だいじょうぶなの?

治療遅れ、とかじゃないよね?

まさか…
死んじゃったりしないよね?


自分が病気じゃないと知って、ホッとしたけど、その高校生さんは
いまから自分が病気だってことがわかるのか。


自分が白血病と聞いてものすごくショックだったことを思い出すと、

その高校生さんもショックになる、よね。


喜ぶのはあたしもそうだし、お母さんとかほかのあたしの白血病ということを知っている人は間違いだってことで喜んでくれる。

その反面、1週間前のあたしみたいにショックを受ける人たちがいるんだ。

そう思うと素直に喜べなくなった。