「理希か?杏奈はどうした?」



お兄さんが怪訝そうな顔で聞いた



置いてきたと思ったんだろう...




「杏奈は今母さんと病院にかかったよ

発作が起きたからな、杏奈の両親には伝えて誠司に伝えるためにここに来た


そしたらみんなが結友のことを話していたから訂正したってわけ」



杏奈が発作!?



大丈夫なの、それ



「杏奈が発作って大丈夫なの!?」



こういう時に焦ってしまうのは夏歩ね



「あぁ、ただ、これからは入院になるらしい、先生曰く早くドナー移植しないとまずいらしい


だから今回ばかりは杏奈がどれだけ嫌と言おうと入院させることになった」



...それが賢明な判断なのかもね



杏奈には悪いけど...



「そうか、杏奈はもうそこまで来たか...」



「...あぁ、ただ、この前の移植ネットワークからの連絡では杏奈は3位だったらしいから次か、最悪その次で移植できるらしい


だからそれまでは念には念をということらしい」



「なぁ、もっとあるってどういう事だ?」



松田先生ってば空気読めないね



「あぁ、結友はいろいろやってるみたいっすよ


杏奈を刺したり、レイプさせたり、追い出したりってのはみんな知ってるだろうけど他にも杏奈の顔を柄のわるいやつらに見せてそいつらに杏奈をストーカーさせるように言ったり、杏奈を階段から突き落としたり...


だから本当は留学行くのも嫌だったんですよね、杏奈を1人にするのが怖かったんで


でも杏奈がきちんと送り迎えしてもらうって言うから行ったんですけど、何故か黒蝶に入ってからはそれが途切れたって玲央から聞いて...まさか、そこにあの速水って奴がいるとは思わず放っておいてしまって


誠司、本当に悪かった」