「部屋に入らせて下さい」

「・・・いくら松さんでもそれはダメです」

ドアのぶをしっかり握った。

「“いくら松さんでも”ですか・・・。あなたわかってます?僕たち結婚するのですよ??」

『結婚』を強調して言った気がした。

「わかってま・・・す」

「そんな時に、部屋に男を連れ込むんですか?」

見透かされている。

晴貴がいること知ってるんだ・・・

「晴貴なんていませんよ」

「また目が泳いでいます」

なんて私の体は、バカ正直なんだろう。

「まぁ、今回は目を瞑りますが、今度このようなことがあれば、結婚式は早めます」

そう言い残して松さんは去った。

『結婚式を早めます』

ただでさえ早い早い入籍なのに、早めるなんて・・・・どうしよう。

結婚なんてしたくない。

「・・・うッ・・ヒック」