「話って??」

真剣な顔になり空気が張りつめた。

「晴貴は・・・やっぱり聖羅姉のこと好き?」


“やっぱり”ってなんだよ。

「あぁ」

「そっか。・・・あのな、さっきオレ聖羅姉のこと怒らせちゃったんだ」

やっぱり喧嘩してきたんだ。

「なんか聖羅姉今日イライラしてた。」

「・・・・そして泣いてた」

「・・・・。」

何も言えなかった。

イライラしてた?

松 拓李が婚約者になったから?

泣いてた?

・・・オレがキスしたから??

「晴貴??」

真樹が顔をのぞき込む。

「・・・なぁ聖羅、今、家にいる??」

「いるけど・・・?」

「誰と?」

「松さんと」

―その名前を聞いた瞬間に立ち上がった。

「おい!晴貴っ!!」

「聖羅のとこ行ってくる!お前、じっとしてろ!」

返事を聞かないままドアを開けた。