さっきの顔とは明らかに違っていた笑顔に安心した。
「えーっと・・・」
風呂はこの部屋を出て20mくらい歩いて曲がればあるのだが・・・この屋敷にはお手伝いさんがたくさんいる。
真樹がお手伝いさんに見つかれば間違いなく追い出されるだろう。
しかも、運悪く風呂場の隣にはお手伝いさん専用の部屋がある。
どうしようか・・・
「なぁ!どこだよ?」
「・・・風呂に向かう途中でお手伝いさんと会ったらお前終わりだぞ??」
「なんで??」
「オレん家につとめてるお手伝いさんは瑠璃沢の名字をもつ者以外全て部外者と見られてしまうの」
そう・・・それが
「大企業の後取りでもな」
人差し指を真樹に向けた。
「まじ・・・?じゃあ、オレ後で帰って風呂入るは」
後って・・・今じゃないんだ。
「話があるからな」
オレの心を見抜いたように真樹は言葉を繋げた。