「お母様。ただいま戻りました」
「まぁ松さん、聖羅お帰りなさい」
お母様が駆け寄ってくる。
「ただいま・・・」
そう言い残して部屋に戻った。
「一年後なんて早すぎる・・・・・」
―コンコン
「はぃ・・・」
―ガチャ
「聖羅姉、どした??」
「真樹(マサキ)・・・。なんでもないわ」
真樹は私の弟。
「聖羅姉は、大変だね。やっぱり好きな人と結婚したいよね??」
「うん。」
好きな人はいないけどね。
「あのさ・・・聖羅姉って晴貴くんのこと好き??」
晴貴・・・
「いいえ・・・・・」
「嘘だね」
そんなこと言われたって恋したことないだもん。
「晴貴くんのところ行っておいで」
「なんでそうなるのよ」
白いベッドに座った。
「母さんは、仕事でいないし松さんはオレがとめておくよ」
「行ってなんの意味があると言うの??」
「自分の気持ちに気づく」
「意味がわからないわ。第一、私は晴貴のことを好きじゃない」
「頑固だなー行けばいいの」
行く意味がないの。