「なぜ泣いていたかは聞きませんけどこれからはあなたを泣かせる人は殴ります」

助手席に座っていた私に松さんが話しかけた。

「なぜあなたがそんなことをするのです?」

「お父様から聞いてないのですか??」

少しいやな予感がした。

「・・・・聞いてません」

私を横目で見た。

「僕たち結婚するんです」

「松さんとどなたが??」

声が震えていたかもしれない。

「僕と聖羅様がです」

「ま・・・待って下さい。私は、晴貴と・・・」

「あぁ。その話しは取り消しになりました。晴貴様に伝えたとお父様が言っていましたが・・・」

「えっ・・・」

じゃあ晴貴は、そのこと知っていてあんなこと・・・。

お父様もお父様で、娘の婚約者をコロコロかえて。