「聖羅(セイラ)様、ごきげんよう」

「えぇ、ごきげんよう」

学園の鐘がなる。

「聖羅嬢様、お迎えにあがりました」

黒いスーツを着た若い男が私を白いリムジンへと促す。

・・・また、付き人が代わった。

「お名前を」

「このたびお父様に付き人を頼まれました松 拓李(マツ タクリ)と申します」

深々を頭を下げた。

「松さん、申し訳ないのですが、今日は歩いて帰りますわ」

「そんな困ります。車に乗って下さい」

なんで・・・

この長い車に乗らないとならないの?

・・・でも、私のせいで松さんが怒られてしまうのは、申し訳ないと思い渋々車に乗った。