「夫の同僚の、熊本毅さんという方がいるんですが」

「うわー…ゴツい名前ですねぇ…ゴホッ」

僕が未だに喉の奥のクッキーと格闘していると、奈津子が眉を垂らしてのぞき込んできた。

どうぞどうぞと先を促す。

「……あの、その毅さんは夫の一番仲の良い同僚で、よくうちに遊びに来ていたのですが、一ヶ月前からパッタリ来なくなったんです」

奈津子の背中をさする手の動きが緩やかになった。

「あんなに仲がよかったのに不思議で仕方ありませんでした。夫は、毅さんと……何かあったんでしょうか」





「くさいですね……」