「さて、邪魔者は消えた。後は貴様らを『動けなく』するだけだ」

煙管を咥え、妖達に向かって紫煙をくゆらせる。
それは生き物の様に妖達にまとわりつく。

「うっ、うわあああああ!!」紫煙が晴れ、豚の妖は蒼華を落とし、尻餅を着き気絶した。

蒼華は落とされた衝撃で朦朧としていた意識が戻る。ラウリの元へ急いで駆ける。

「ラウリ、助けてくれて有難う」今にも泣き出したいのを堪え笑顔でお礼を伝える。

「……こちらから様子は見えていた。だが、俺が奴等の存在に気付けていれば」

ラウリの表情が曇る。蒼華を優しく抱き締める。