「荒事は好まないですが、命令はお断りさせて頂きます」

顔は笑っているが殺気が人間の私でさえ分かる位濃い。お陰で身体が寒い。
私は何も言わない。取り敢えず、カナメの邪魔にならない程度で支援をしよう。

「っふ!」

カナメが妖に一瞬で肉薄し、腰に下げている軍刀で袈裟斬りを食らわせた。カナメがゆっくりと妖の横を通り過ぎた直後、筆の妖が縦に、横に、横に、横に裂けて何言わぬ『四角い塊と白い毛』になっていた。

不謹慎だけど正直な話、これが豚や魚だったら夕飯が食べれなかった。

「糞ガキゃあ!!」

金魚がカナメに殴りかかる。危ないっ、助けなきゃ!!