「この世界では、どんな妖かを話すのは信頼した妖のみなのですよ。だから今の貴女に教える訳には行きません。ラウリさんから教わりませんでしたか?」

「それに近しい事は話していたよ」

ラウリだけがそうしている訳では無かったんだ。まだラウリから何の妖か教えて貰っていない。

そこまで信頼されていないのかと思うと胸が痛む。

カナメは私の横に座る。どう言う風の吹き回しなのか笑顔を向けた。子供らしい、無邪気な笑顔。

「僕は来夢さんから話を聞いて、貴女に興味が湧きました。なので……」

その時、私達に声が掛かる。