「本当か!? 分かった! 場所はここから少し北に歩けば分かる。『七星旅館(シチセイリョカン)』って名前だ。日は明日から一週間程度。場所は談話室って伝えてる。それじゃ、宜しくな!」

「分かったから五月蝿い。もう帰っても良いな?」

うざがるのも無理は無い。私も少し鬱陶しいと思ったから。七無さんは笑顔のままだけど。

ラウリは席を立つ。私の腕を引っ張り上げ無理矢理立たせる。バランスを崩しそうになったものの、空いた手で支えられ何とか持ち堪えた。

「報酬は後払いだからね」

「えっ、報酬って何の話なの!? 落ち込んでいる間に何が」

「女はミステリアスの方が良いでしょ?」

悪戯っ子と成り果てている七無さん。それを見て四季神は『あっ、はい』と答えた。

「行くぞ」

表情が大して変わらないラウリだけど雰囲気は明るい。微かに笑っている。本当に何を報酬にしたのか気になる。
けど、頼まれて引き受けた以上、頑張ろう。