「ねえ、ラウリ。貴方の言う妖が住む世界って本当なの?」

「外に行けば分かる。だが、行商は終わった。出来れば明日にしてくれ」

私はまだ布団から出ていない。ラウリはちゃぶ台の所でお金を数えている。

お金、と言ったのはそれっぽいから。それは江戸時代に使われていたのと類似している。

でも、ここが妖が住む世界なのかは信憑性に欠ける。それに、まだラウリについては何の妖かさえ知らない。

「質問を良いか?」

「良いよ」

私は条件反射で答えた。