どれ位歩いたのか。少なくとも一時間は経ったのではないかと思う。
2、3日寝ていて急に運動したせいか、脚が痛い。おまけに雪が冷たくて足の感覚が薄くなってきた。

「うう……」

「こんなのでバテるな。あと少し我慢してくれ」

こんなのって……確かにラウリは慣れているから良い。私は初めてなのに。
不満を隠しきれない顔で彼を見上げる。

「そんな顔されても……な」

ラウリは足を止め私の方に向いた。

「持っていろ」

乱暴に風呂敷を渡された。物があまり入っていないのか非常に軽い。

渡された理由が分からず首を捻っていた時、視界のが傾いた。

抱き上げられた。しかし、普通のではなくて、彼の腕に全てを委ねられた形。俗に言うお姫様抱っこだ。