そのまま私達は布団を片付け、朝御飯を食べる事にした。

サクサクした味付き海苔とふわふわで口に含むとトロリと溶ける位柔らかい卵焼き。それとシャキシャキと歯応えの良いほうれん草のおひたしと炊きたての御飯だった。

「あれ? ラウリってずっと寝ていたんだよね? いつ作られた物なの?」

「アイツは俺が寝ている時や居ない時、冷蔵庫を勝手に漁って料理をする」

「えっ、じゃあ……」

会った事無い人なのかな? 私の考えを読んだのか分からないけれど、『会った事はある。じゃないと友人とは言わない』と答えた。しかし、明らかにいい顔をしていない。

「へぇ……」

余計な詮索はしないでおこう。御飯が不味くなる。

「朝飯を食べたらお前にここがどういう所かを教える。その前に寝間着で行く訳にはいかない。着替えからだ」

「分かった」

私は急いで御飯を頬張った。そして、咳き込んだ。
苦しんでいる私を見て、ラウリは急いで湯呑みを差し出した。

「飲め。早くしろ」

「ゴホッゴホッ!」

急いでそれを受け取る。一気に中に入っているお茶を飲み、落ち着いた。

「ご、ごめんなさい」

「はぁ……俺は別に急いで食えなんぞ言っていない。ゆっくりで良い。商売に時間は関係ない」

「う、うん」