「待たせたな。夕飯だ」

金縛りはラウリが来たら解けた。妖怪屋敷に思えるけど流石に失礼だよね。

「食え」

「う、うん」
























「「ご馳走様でした」」

夕飯は竹の子がゴロゴロと入った炊き込みご飯、甘いさつま芋が印象的な煮物。出汁が良い香りのなめこ味噌汁。素朴だけど食材の特徴を引き出しているような印象があった。

因みに全て手作りだそう。ラウリ曰く食材は全て自家製だが料理は友人が作ってくれているらしい。
ラウリ自身、料理は作った事が一切無いから期待するなと言っていた。

「ふふ……」

意外だな。この人に出来ない事は無いと思っていたけど。可愛い。

「何か良い事があったか?」

「あ、いや……」

「食器は俺がやる。お前は寝る準備をしろ」

「え?」

思わず間抜けた声を上げる。だって、まだ、夕方なのに。

「時計は21の刻を指している。それに明日は早く起きると言った筈だ。」

「あ、ごめんなさい……」

「分かれば怒らない。布団はお前が座っているのを使え。歯は台所で磨け。以上だ」

頭を撫でられた。手はごつごつしているけど大きくて暖かい。










準備を済ませ、私は布団に入ると泥のように夢の中へ堕ちていった。