「…好きです!付き合って下さいっ!」




「悪いけど、俺好きな奴いるから。」




あっさり失恋した高2の夏…。

今日まで1年間、
ずっと片思いしていた先輩にやっと、自分の気持ちを伝える事が出来たのに…、
その終わりは本当に呆気ない。 


遠ざかっていく先輩の後ろ姿を見て愛しさと虚しさが募る…。



こんなんじゃ・・
納得できないよ・・・!



気が付けば私は「待って下さいっ!」と声を張り上げて先輩を引き止めていた。



「…何?」


面倒くさそうにこっちを振り向く先輩の姿に私の胸は張り裂けそうになる。



「翔先輩の好きな人って、もしかして…早希先輩…ですか…?」


「……なんでそう思うの?」


「だって…、仲良いみたいだったから…。」


暫くの沈黙の後・・・

「…よく分かったね。」
と先輩が答えた。