情事後、まだ息が整っていない私は隣に横たわっている先輩の腕に抱かれていた。





「菜穂…やっぱり、もうお前には会えない。」




突然、囁かれたその言葉に私の心臓が小さく跳ねた。


「…どうしてですか……?」



「…もう限界なんだよ。」


「…え?」



「お前と一緒にいると、疲れる…」


冷たくそう言うと、先輩は私を突き放すようにしてベットから出た。 


さっきまで抱きしめられていた感覚が、徐々に私から消えていく・・・



「…先輩に会えなくなるなんて絶対に嫌っっ…!」



「………わりぃ…。」


どうして謝るの・・・?


翔先輩に会えなくなったら私はどうすればいいの・・・?


先輩の傍にいられないなら私が存在してる意味なんてないよ・・・



「…行かないでっ!」


そう言って裸のままベットから飛び出し、先輩に泣き付いた。


惨めだと思われようが、何と思われようが、今はそんな事どうでも良かった。