「おい、てめー!紀希に何しやがってんだよ!」
「華梨奈、お前が悪いんだよ?俺から離れようとするから」
笑ってはいるが目は笑ってない
こいつ狂ってる
「ふざけるな!それなら私を傷つければいいだろ!紀希には手出すな!」
「紀希ってお前の今彼だろ?許すわけねーだろ」
すると屋上に5人の男子が入ってきた
みんな私に近ずいてくる
やばい、殴りたいけど
ここで殴ったらもう学校には来れない
紀希がせっかく来てくれるようになったのに
私は手を出せずにいた
すると身動きが取れないくらい抑えられた
無理に制服のボタンを外され露になる
私の体
唯一残っているものと言えばブラだけだった
それまでも取ろうとする男達
もう我慢できなかった
一人の男の腕を噛む
そして、私は輝蝶となった
私が暴れだしてからもう十分がたった
次から次へとくる男達
「華梨奈」
声の主は海盗
「最後に聞く。俺の女になる気はな「ない!」」
最後まで言う前に答えた
「華梨奈、なら仕方ない。戦争だ」
こいつが?有り得ない
「俺は全国一の暴走族。登陽(とうよう)の総長だ」
登陽!?
登陽は悪さばかりする暴走族
近々潰そうと思っていた
そこの総長が海盗だったなんて
それから三日がたち
登陽との戦争が始まる
「お前ら!お前らも知っているように紀希があいつらにやられた。私は絶対に許さない。そこでだ!お前らにお願いがある!幹部には手を出すな。幹部だけは自分の手で懲らしめてやる。幹部から拳が飛んできたらすぐに俺を呼べ。いいな!」
みんなそれぞれ返事を返してくれた
しばらくすると大きい音を鳴らしながらアジトに近付いてくる
「よー華梨奈」
「海盗!お前だけは無事で帰れると思うなよ」
海盗は、狂ったように大声で笑う
今の海盗は、不気味でしかない
「華梨奈、最後に聞くぞ。俺の女になる気はないか」
「ない!」
私は自分でも驚くほど殺気を漂わせていた
周りはそれに怯えているだけ
それでも、目を逸らすことなく真剣な顔で答えた
「お前ら!怪我したら許さねーからな」
この言葉が喧嘩の合図となり下っ端たちはただただ下っ端を潰していく
世界一を舐めたら死ぬぞ
今残ってるのは総長の海盗だけ
幹部は瞬殺だった
私は迷うことなく海盗を殴った
でも、なぜか止まらない
海盗の意識はもうない
なのに、やめられない
「華梨奈!もうやめろ!」
声の主は紀希だった
私の大好きな声
やっと止まった手
ありがとう、紀希
「華梨奈、もういいよ。海盗はもう意識ないだろ」
私は目の前にボロボロになって倒れてる海盗を見つめていた
未だに許せない
イライラする
ね、紀希
もし、ここに紀希がこなかったら私はどうなってたかな?
海盗は、間違いなく死んでいただろう
私をいつも助けてくれる人は
いつもそばにいてくれる人は
ただ、一人
紀希だけだ
ありがとうなんて恥ずかしくて言えないけど
私は、決めたよ
紀希を絶対守る
私はその日から常に紀希をそばにおくようにした
寝る時も一緒
学校行くのにも一緒で
本当は席は離れてるけど先生を殺気で脅して隣にしてもらった
その時、腰を抜かしたのは想定外だった
紀希は、隣でお腹を抱え涙を流すほど笑っていた
こうやって、笑ってる紀希も好きだ
「華梨奈~隣だね!」
子供のように喜ぶ紀希
テンション上がり過ぎて廊下もまともに歩けずいろんな人にぶつかっては喧嘩を売られ私が相手をする
何回繰り返せば大人しくなるのか
不安しかなかった
しばらく歩くと屋上についた
いつも閉まってるはずのドアが空いてた
外へ出ると話し声が聞こえた
「この学校、まじで広すぎだろ」
「確かに、教室に行くだけで疲れるわ」
私たちは声のする方へと足を勧めた
屋上に出るドアの上には私の特等席がある
そこには、誰も立ち寄ってはいけない
なのに、そこから声がする
私は、警戒しながら近づく
「おい」
私が声をかけるとそこにいた奴らは驚いた顔をしていた
一人の男がすぐに冷静を装い声を発した
「今日からここは俺らのシマだ。この椅子お前のか?」
「だったらなんだ」
「座り心地いいよな、貰うわ」
「お前ら本当にうちの生徒か?」
ここは先生も立ち入ってはいけないことになっている
なのに、なぜこいつらはいるんだ
うちの生徒ならわかるはずだ
「俺ら今日転校してきたんだよ」
通りでここにいるわけだ
「お前らにいいことを教えてあげよう」
みんなの頭の上には?だらけ
「うちの学校には絶対の決まりがあるんだ」
「決まり?」
どうやら紀希もわからないらしい
ついでだから教えてあげよう
「屋上は出入り自由だ。しかし、ドアの上は立ち入り禁止なんだよ」
「でも、お前いるじゃねーか。それに、なんで立ち入り禁止のところに椅子があるんだよ」
いちいち突っ勝ってくる
鬱陶しい
「ここは、うちの学校のテッペンしか入れないんだ」
「えっ。てことは、お前がここのテッペンなのか?」
他に誰がいるという自慢げの顔であぁと答えてやった
それを聞いてみんなびっくりしていた
紀希まで、口が開いたまま
「待って、華梨奈。そしたら、俺もだめじゃん」
私は飽きれたようにため息をついた
「紀希、ばかなのか?お前は特別だよ」
「はっ!?なんでそいつは良くて俺らだめなんだよ!」
「お前には関係ないだろ。さっさと散れ」
するとずっと黙ってたやつが声を出しはじめたから何かと耳を傾けると
「なら、タイマンしろよ。俺が勝ったらお前をこき使ってやる。お前が勝ったら好きにすればいいしここから散ってやるよ」
「いい度胸してるな」
「負ける気しねーけどな」
こいつが?私に勝てる?んなわけねーだろ
笑わせんなよ
それからは言うまでもなく瞬殺だった
紀希は、すごいと満面の笑みで拍手
他の奴らは何が起こったのかとわからない顔をしていた
「俺、勝ったぜ。さっさと散れ」
「待てよ。一つ用件聴いてやる」
「用件?そだな」
私は考え混んだ末に出した答えは
「お前らは族入ってるのか?」
「黒猫だ」
黒猫は海盗の族が解散してから全国一になった族だ
通りで喧嘩するのにもスピードは遅いし隙がありすぎだ
こんなんじゃ相手にもなんねーよ
「喧嘩強くなりたいか?」
こんな弱さじゃ全国一の名も腐るから
「そりゃな」
「なら、俺が教えてあげよう」
みんなびっくりした顔をしている