「はずだった…?」

キョトンとする私に、ミリィさんは言った。

「君らの想いはとてつもなく大きくて、
神様でさえその想いには逆らえなかった。」

そこまで言うと、ミリィさんはまた最初のように笑って

「ま!そんなこんなで今こうなってるんだけどね!」

明るく言った。

その「そんなこんな」の部分が知りたいんだけどなぁ…

「あの…それで、ミリィさんとみど…イルマの関係って?」

今でもつい緑と呼んでしまいそうになる。

それほど彼の名を呼んでいたんだろう。

「あー、僕らはねぇ…」

ミリィさんはそう言ってチラッとイルマの方を見た。

イルマは、未だ顔を上げていない。

「んー、僕の方は友達だと思ってるんだけど…
彼の方はそうじゃないみたいで。」

ハハッと軽く笑いながら少し困った顔した。

「何が友達だよ。人の大切なもん全部奪いやがって。」

イルマが突然口を開いた。

「…何のことかなぁ?僕は何も…」

「ヘラヘラしてんじゃねぇよ!」

イルマはミリィさんの胸ぐらをつかんだ。

小さいミリィさんは、足が宙に浮いてしまっている。