この男の名前…

一番最初に思いついたのは『緑(みどり)』だった。

理由は、目が緑色だから。

よし、これにしよう。

そう思って男の方を見ると、丁度男もこちらを向いた。

「決まったか?」

私が頷くと、

「じゃあ、先に言ってくれ。」

男はどこかワクワクしたような表情だ。

そんなに期待してもらっても困る。

別に大した名前じゃない。

「…緑。」

「みどり?色の緑か?」

また頷くと、男は下を向いて呟いた。

「緑…いい名前だな。」

その時男が見せた笑顔は、

綺麗すぎて

この世のものとは思えないほどだった。