「それって…どういう意味ですか。」

『本当ならここに居なかったはずの存在』

それが何を表すのか、私にはさっぱり分からなかった。

「そのままの意味だよ。」

ミリィさんは、表情を変えずに言った。

「君はここに来る予定じゃなかった人間なんだ。
元々は、ね。」

元々は?

「元々はって、何ですか?」

私がまた質問をすると、

ミリィさんは大きくため息をついた。

「そんなに気になるの?
知らない方が幸せかもしれないのに。」

知らない方が幸せ?

そんなの知ったことか。

「いいんです、教えてください。」