萌音のタイムも順調に縮み、ランキングのほとんどは1組になった。


駅伝メンバーにタスキが配られ、みんなで寄せ書きをした。


ほかのクラスはそんなことをしていないから、1組の団結力を見せつけることもできた。


駅伝持久走大会を控えた前日。


賢人のクラスの前で賢人を待っていたら、兼尾が通りかかった。


「あ!ねー兼尾ー!」


「孝規。」


「ん?笑」


「こうきって呼んで」


「うん、じゃー萌音でいいよ」


「で、なに?笑」


「あ、明日がんばろーねーって言いたかっただけ笑」


「頑張ろ!ねー明日1日だけでいいけんさ、三島じゃなくて俺だけ見てくれん?おねがい笑」


「え?あ、それさ、賢人が可哀想っていうか賢人の持久走の頑張りも見たいっていうか、ね笑」


「2年間も思い続けよるとよ?その中の1日。ホントお願い」


「んー、んーわかった、じゃあ絶対全員区間賞ね!」


「おう!明日ね笑」


兼尾の後ろ姿は、自信に満ち溢れてかっこよかった。