萌音はヤキモチなんて妬いたことがなかった。
塾に部活で遅れてくる賢人は
いつも女バドの聖菜ちゃんと一緒に入ってくる。
窓から見ていると、一緒に学校から来ていることがよくわかってしまう。
それなりに距離もあるし、どんな話をしているのかどうしても気になってモヤモヤする自分が嫌だった。
だけど萌音の周りの席は男子だけで、Sクラス自体が男子ばかり。
人見知りが激しい萌音にも沢山話しかけてくれる良い人たちだった。
「ねー萌音さ、いつも楽しそうに男子と話してるやんな?」
「賢人も楽しそうに聖菜ちゃんと一緒にきてるもんね」
「時間一緒やからしゃーないやろ」
「萌音だって席近いけん仕方ないやろ」
「もう今日はLINEしやんどこ。」