「はよ話せよヘタレ男。笑」
「相変わらずですね笑」
「なんで賢人は離れたん?」
「顧問の先生にしか言ってへんかったけどな、賢人な心臓の病気やってん。」
不思議と冷静な自分がいた。
「うん。」
「ほんで、賢人の妹も知的障害持っててな、ずーっとお世話しやなあかんねん。でも賢人な、長くて20歳までしか生きられへんの。」
「うん。」
「でも勿論20歳まで元気なわけちゃうやろ?最後の2年くらいは入院生活やろうし、今も検査ばっかりで学校来れへんときあるし。」
「なんで言ってくれんかったと」
「ほんまはな、ずっと言うつもりなかってんけど、萌音が誰かの女になっとんのが悔しかってん、むっちゃ。」
「ごめん、知らんくて。気づけんくて。力入りにくいのも、萌音に気付いてほしかったんやろ?ごめん。」