その日は部活動が中止だった。
外はもう寒くなってきていて、
萌音たちも受験の話が先生から何度もされるようになっていた。
学年集会の後にみんながいっせいに帰り始める。
「萌音、まって。」
聞きなれた声。優しい声。
萌音が1番大好きな声。
やっぱり。
「えー、っと、どうしました?w」
あまりにも突然で、久々で。
挙動不審な萌音をみて賢人は笑った。
大人びた顔になった賢人。
急に身長が伸びた賢人。
笑顔が変わってない賢人。
でも、前よりももっと痩せてる。
「いっしょ帰ろ、さしぶりに」
ずっと、ずーっと、ずっと待ってた声。
萌音を見るその目。
大好きで愛おしい、三島賢人。