「萌音ー、ご飯くらいちゃんと食べなさいよ?もう夏に食べなかったら倒れるよ?わかった?」


ママはそれなりに気付いていた。


「うん」


その程度の返事しかできないのも、
賢人のせい。



「何があったのかは知らんけどさー、ちゃんと言ったら解決できるかもよ?」



「じゃあ解決して。話すよ。でもどこから話したら良い?」



「萌音が今1番苦しいことはなに?」



「大事な人と離れた。その人は影で萌音のこと庇ってくれてるくせに、離れてもずっと平気な顔してて、萌音のことが見えてないような素振りをされること。」



「何があったんやろうねー、その人は」



「萌音が1番知りたい」



「精一杯強がってると思うけどね。」



「強がるくらいなら言ってくれればいいのにねw
賢人が言ったんよ?強がるなって。
けど、萌音が泣いたって叫んだって、寂しくなるだけで。賢人は他人やもん。」



「いつか話してくれるはずよ、良い人なんでしょ?」



「うん」



あまりにも苦しすぎて、
久々に本当の自分が出て、
どんどん寂しくなって。