ふと、玄関の方に気配を感じた。



ただなんとなく、賢人だと思った。



その気配は10分もするとなくなり、
どこか遠くに行った気がした。



急いでドアを開けると、
そこは賢人の匂いが残ってた。



「やっぱりね、笑」



涙が出てきた。



もう賢人の姿は無かったけど。




玄関の横に、賢人が中学生の時に使っていたバドのラケットが置かれていた。



ラケットケースの中には、
そのラケットと、木製のクシと、
「進みーや。」
そう書かれた手紙が入ってた。