それから1週間。
テストも終わり、土曜日には入学式があって。
授業も始まって、日常が始まる。


すっかり友だちのグループは出来上がって、休み時間もお昼も皆がそれぞれ決まった人たちと集まって話したりつるんだりしている中。


亜衣が怖がっていた芹川くんは結局一度も登校してこず。


そして、あの彼久賀くんも、一度も誰かと話したり、誰かが側にいることを見たことがない。



周りのみんなも、彼を認識していないかのように。
腫れ物に触るかのように。
まるで、いないもののように。


どんな風にでもとれるような態度で。




話しかける人も、気に掛ける人もいなかった。




彼自身、それでいいと思っている様子だった。