「夏葵〜今日俺んちくるかー?」
「行くつもりー、じゃまた後でねー」
「また来んのかよ笑」
「だまれ笑 来て欲しいんでしょー?んー?」
「まあお前来ると父さん喜ぶしな」
「あっそー」
「つめてーなー相変わらず!彼氏できねーぞ」
「よ!け!い!な!お世話だっっつーの!!はよ帰れ」
しっしっと幼なじみの恭介をあしらうと私に大きい声で挨拶してくれる後輩に手を振った。
「わかったわかった、じゃーまたな!」
でかすぎる声の恭介にも一応手を振っておく。
あたしの名前は吉岡 夏葵(よしおかあおい)
ふつーの高校2年生。ラクロス部だ。
で、さっきのうるさいやつは日野 恭介
(ひのきょうすけ)同じクラスでサッカー部。サッカーだけはほんとにうまいと思う。
ひねくれてて、なんかクールぶってる時とかあるけど、実は女の子大好きな最悪野郎・・・
まあ、おもしろいしやさしいときはやさしいし、頼りにしてる!
「夏葵ー、帰ろー」
3人くらいの声が一斉に聞こえてくる
「もー、恭介と仲いいなあ!うらやましー」
「それな!!あんなイケメンと幼なじみとか人生得してるよ」
そう、恭介とあたしは幼なじみ。だからみんながいうイケメンというのが全くもってわかんない。
「イケメンー?あいつがー?」
「イケメンだわ!しかもサッカー部の期待の2年生なんでしょ!」
「ま、サッカー上手いのは否定しないー笑」
「でも私たちじゃ釣り合わないよ、あんたみたいに美人でかわいくて明るくて運動神経いい人が幼なじみとかさ笑。ラクロス部にも女子のファンクラブあるぐらいだし。もー何事」
「あたしが美人ー?目がどうかしてる。眼科行ってこい」
「そーゆー男勝りなとこが残念なの!でもそれがいいっていってる男子多いしねー」
「たしかに、でも間違いなく校内一美人だと思うよ。愛美先輩なんかよりももーっと」
「ほんと架純って愛美先輩のこと嫌いだよねー、それでもめっちゃ美人って言われてんのに」
「いや、あれは絶対性格悪いから。もーあの笑顔から性格の悪さが滲み出てる!」
「それは同感ー笑」
「ちょっと!ラクロス部のエースなんだから!わたしの先輩のだし」
「ほんとどんま〜い〜!!!」
3人合わせてそんなことを言ってくる。
こんな事言ってくるけど大好きな友達だ。
女子力高くて口がすこし悪いのが傷だけど実はやさしいのが 磯村 架純 (いそむらかすみ)
天然だけどノリもよくて、栗色の揃ったボブが羨ましい 神咲 菜穂 (かんざきなほ)
大人っぽくて美人、黒髪ロング、清楚、毒舌すぎる!そんな 榊原 唯 (さかきばらゆい)
まー、大好きよ!
っと、はやく帰らなきゃ!
「っごめん!今日恭介んちに遊びに行くんだった!ほんと悪いけど先帰るね!」
「は?家に!?!?やばいじゃん!」
「ちょっと架純!なに想像してんのー」
「意味わかんないわ、いかがわしい事考えてんのは唯でしょー?」
「遊びに行くんだね!楽しんでね夏葵!2人ともどーゆーことー??」
((あんたは鈍感過ぎ!!))
「家族もいるから!てか漫才なのそれ?鈍感な菜穂にいろいろ教えてやってー笑じゃーね!」
「じゃーね夏葵!!」
でもさ、夏葵も、、、結構鈍感だよね笑
そんなことを言っていたのを知らずに、あたしはもうオレンジいろに染まった校舎を抜けた