「星羅ーーーー!」


「ん?美羅?」


大学の講義が終わった私を親友の瀬戸内美羅が呼び止めた。


美羅は中学の時の友達で大学で再開した


私の一番の理解者で親友だ。


まぁ、一言でいうとかなりの美人。
女の私から見ても可愛すぎるくらいだ。



まぁ、美羅が呼び止めた理由はなんとなくわかるから…


「行かないからね?」



「まだ何も言ってないよー!」

「言わなくてもわかるわよ。どうせ合コンでしょ?嫌よ、私は行かない」


そう、美羅は私を合コンに行かせたがる


なんでも私に新しい恋をして欲しいらしい。




私はあの時からもう恋なんてしたくないと、そう思ってるとわかってるはずなのに。



親友として言ってくれるのは嬉しい。
でも、もうダメなの。


もうあんな思いはしたくないの…。


「ごめん、星羅が辛いのはわかってるの
でも、星羅には幸せを見つけて欲しいの。それに今回は星羅に紹介したい人がいるの!一生のお願い!!今回だけ!」




そんなに真剣に私のことを…
1回だけいったらあとは誘ってこないよね。



「…今回だけだよ。」


「ありがとう!じゃあ、日付は後ほど!」



この時、1回だけと思ったのが間違いだった。



















゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+

「はーい、それではみなさーん。カンパーイ!」


「「カンパーイ」」



初めてのしかも乗り切れない気持ちでの合コンはやっぱりつまらなかった


しかも合コンの相手は同じ大学の別の学部の人たち



みんなは盛り上がってるから端の方で1人で飲んでいると…



「ごめん、遅れて…。」

誰かが1人遅れてきた。


懐かしい声がした気がして振り返った。



振り替えんなきゃ良かった。

「おせーぞ、太一」

「わりぃ」




ガタッ

「なんで…?」

いるの?あなたがここに…

私の目の前に現れた人はあの時の彼だった。

私がいきなり立ち上がったのをみんながいっせいにこっちを向くのが気にとめてる暇はなかった。


「美羅、私かえる」

「まって、星羅…!」

この場にいたくなかった。


あの人と同じ空間にいたくなかった。


何よりもあの時のことを思い出してしまって人前で泣きたくなかった








「やっぱり来なきゃよかったかな…」

やばい、すごく胸が苦しい。
嫌だな、なんであっちゃうの?


よりもよって同じ大学?


なんで気づかなかったんだろう。



なりふり構わず出てきたせいか、見知らぬ公園に来てしまった


なんとなくブランコに腰かける


ギコギコ


自分ひとりしかいない空間にブランコの音が響いていた。