胸が壊れるほどに愛してる






ーホームルームー




「じゃあ、今日は、文化祭でやる、クラスの出し物を決めるぞ~」


『はーい』






私でも、みんなの力になれるなら、
何かやりたいです!



「だれか、意見がある人は挙手!」





「はいっ!メイド喫茶!!」




「はぁ?何でよ!男子、絶対何もやらないじゃない!!その上、女子のメイド姿見たいだけじゃん!」



『そうよ!!』




皆、立ち上がって叫ぶように話してる






先生が、困ってる……


私が助けなきゃ





「みっ、皆!落ち着いて!!!」



私は、いつもの100倍くらいの声を出した




皆驚いて、固まる





先生も、こっちを見てる





「……そうだな。白石の言う通り皆落ち着いて、話し合って決めよう」




私が困ってるのを見て、フォローを入れてくれた





「じゃあ、出し物決める前に、先に実行委員を決めよう!
先生、推薦したい人がいるんだけど、良いか?」





『誰?』





「白石さん。君に、お願いしたいんだ。
嫌なら、断ってくれても構わない」






嬉しい




ずっと、こういうの、やりたかったんです




皆と、楽しみたかった……




「白石さん……?」





「私、やります…」




「本当?ありがとう!」




私の大好きな、先生の笑顔が見られただけで、凄く嬉しいです!





「じゃあ、皆も、いいかな?」






『はーい!』





皆、賛成してくれました……





私、認められたんですね……








ー放課後ー


今日は、実行委員会の集まり



担当は、先生!!




私、頑張っちゃいます!!




先生、カッコイイな〜




そう、見とれていると······



























『ここ、座ってもええやろか?』





声のする方を見ると、そこには、とても美形な男の子が居ました······








「えっ、あっ、はい......どうぞ......」




「おおきに〜」



彼は、歯を見せて笑った




とても爽やかで、私とは正反対の男の子です······





でも、少しチャラそう······?




ピアスを着けて金髪で制服を着崩しています!




「自分、名前何て言うの?」




「えっ、えっと·········」



「俺は五十嵐隼人や!よろしくな」




「しっ、白石美咲です!よっ、よろしくお願いしますっ!!」




声掛けられた〜!



変じゃないかな



「自分、面白いな〜!友達になろうや」


「えっ?」


「だって、犬みたいで可愛いんやもん」


「そっ、そんなことないでふっ!!///」


「でふって······」


彼は、そう言ってお腹を抱えて笑った



顔が熱いよ〜//////



幸汰「こら、そこの2人、イチャイチャするな〜」



先生に、見られた······



最悪です······


「バレてしもうたか〜!俺の彼女、可愛いやろ?」


冗談でも駄目です!!


だって、先生が······


「じゃあ、丁度良いから2人で委員長にしようか!」



『さんせーい!!』



少し、苦手かもしれません





今日は、冊子作りのため、五十嵐さんと居残りです




「上手くできひんな〜!」



「あっ、私がやりますよ!」


五十嵐さんの作った冊子は、バラバラで、グチャグチャでした······



『じーっ』



私、何か変なことしましたか?


五十嵐さん、すごい見てるんですが!


「美咲」


「ふぁ!はっ、はい!」


急に名前で呼ばれたからびっくりしました!



「俺と付き合わへん?」


「えっ!?」


思わず、手を止めてしまった


「実は、一目惚れしたんやけど······」


「えっとー······」


困ってしまいます


五十嵐さんの気持ちは嬉しいですが、私の好きな人は先生なので······



「もしかして、好きな人おるん?」



「なっ、何ですか!?///」


「当たりやな」


「すまんのぉ。困らせてしもうて」


「いえ······こちらこそ、すみません······」





「俺、飲み物買ってくるな!」



いつもの笑顔で言った



「あっ、お金·····」


「ええよ!やってくれとるからな!」


「ありがとうございます······」


そう言って、走って行った




「ふぅー」


疲れました······























『ガラッ』




そこに立っていたのは······






「あれ?白石だけか?」


「せっ、先生!?//////」


「悪いな、驚かせて」


またその笑顔···


本当に、ズルイです······


「五十嵐は、逃げたのか?」


「いっ、いえ!五十嵐さんは、そんなことするような人ではありません······」


「えっ?」


「はっ!す、すみません······
関係ないですよね······」


「そっか!2人、付き合ってんだよな〜」


「えっと······」


衝撃的過ぎて、言葉が出ないです······


「手伝うよ」


「わぁー!結構多いな〜
まぁ、そりゃそうか!全員分だもんな」


「私なんか、こういう事しか出来ないので」




もう、最悪です···









「白石、『私なんか』って言ったら、罰ゲームな?」





「えっ?」



「だから、もう、『私なんか』って言うな。
白石は、努力家で、いつも皆に譲って、自分は、いつも不幸じゃないか」





涙が出てきてしまいます······


でも、先生に迷惑を掛けたくありません······

























「無理したらダメだぞ」





神様、私は、こんなにも幸せで良いのでしょうか






「先生、仕事は良いんですか?」



「ははっ、優しいな、白石は!俺の心配までしてくれて!
ありがとう!でも、大丈夫!
白石のために終らせて来たからな!」




そう言って、先生は、大きい手で、私の頭をワシャワシャした






「だっ、駄目です!私なんかのために、無理したら!」




「あっ!『私なんか』って言ったから、罰ゲーム!」



「あっ······

罰ゲームって、何をするんですか?」



「白石、お前は頭が良い!トップを狙える!」



「むっ、無理です!」



「無理じゃないよ。
だって、白石、数学苦手だろ?」



先生は、優しく、語りかける様に言う



「苦手です......」




「先生が、補習してあげるよ!
理科、いっつも1番だから、きっと、大丈夫だ!」




理科も苦手だけど、先生の担当だから頑張ってるんですよ······?




「それなりには、教えてやれるから、一緒に頑張ろうな!」




『一緒に』その言葉は、初めて言われたから、少し戸惑っちゃったけど、凄く嬉しいです!




初めてが先生で!



















ん?でも、2人っきりっていう事ですよね!!!







大変です!!!!



心臓が持たないです......



「じゃあ、明日と明後日の放課後、教室で待ってろ」




「はい!」



意識しなくても、つい、笑顔になってしまいます...♪



「逃げ出すなよ?」



「もっ、もちろんです!」





「先生、何をしとるんですか?」



「おお!五十嵐!
あぁ、今、白石と話してたんだ」








「......出て行って下さい......」



「あっ、ごめんな!頑張れよ」



あっ、先生、帰っちゃった......



「のっ、飲み物、ありがとうございます...」




「白石さんは、先生のことが好きなんやね......」



「えっ......///」



「やっぱり、そうなんやな」



五十嵐くん、なんか、いつもと違う......?




「そんなの、無理に決まっとるやん!!」



「はい......でも、こうやって、一緒に居れるだけで良いんです...」




「俺、諦めてへんから」



「えっ......」


「いつでも、待っとるから!」




その言葉は、普通の女の子だったら、誰でもキュンとするのかもしれません



でも、私の頭は、あの人に占領されているんです.........








──── 翌日のホームルーム




「今日は、出し物を決めます......」





『どうせ、また喧嘩になるんだろ〜』


『だよね〜、もう、何でも良くない?』




どうしましょう......


こういう時、五十嵐くんは、しっかり決められてるんでしょうね.........









「なぁ!先生、提案があるんだ!」


『何〜?』



「男女の意見を採用して、メイド&執事喫茶!!」


『············』



「やっぱり、駄目かな...?」


先生、また困ってる。どうしよう......


『先生!私は、良いと思うよ?』


そう言って、立ち上がったのは、学年で1番カワイイ子でした




『皆も、そうおもわない?』


『俺も、さんせーい!』

『私も!』

『俺も!』




皆、賛同してくれました......


さすが、先生です......



「では、メイド&執事喫茶で良いですか?」




『はーい!』


『あっ、そしたら、先生の執事姿見られんじゃーん♪』




「えっ?そうなのか?」



『ヤッター!』



クラスの女子が、喜んでいます


嬉しいですけど、少し、胸が苦しいです......






次は、移動教室です



あっ、先生、女の子たちに囲まれてる......


やっぱり、モテるんですね......





『あっ、先生、ネクタイ曲がってる〜』


「本当だ!」


『私が直してあげる♡』


「ありがとう」


先生、知っていますか?


先生の笑顔は、誰でも恋に落ちてしまう、魔法の笑顔なんですよ?


『先生カワイイ〜♪』


「こら、教師をからかうんじゃないぞ!」


『ねぇ、先生!今度、私とデートしてよ♪』

『私も!』

『私も〜!』


わっ、皆、凄いです!尊敬しちゃいます!


でも、変です


風邪でもないのに、苦しいです


今にも、倒れてしまいそうなくらい




そうして、じっと見てると......



「ほら、お前ら次、移動教室だろ?
白石を見習って、早く行けよ?」


『はーい♪』




そう言って、先生は、私に笑顔を向けた


そんな笑顔だったら、もっと好きになっちゃいますよ......









先生は、私が好きでも、良いですか?