胸が壊れるほどに愛してる





「先生、仕事は良いんですか?」



「ははっ、優しいな、白石は!俺の心配までしてくれて!
ありがとう!でも、大丈夫!
白石のために終らせて来たからな!」




そう言って、先生は、大きい手で、私の頭をワシャワシャした






「だっ、駄目です!私なんかのために、無理したら!」




「あっ!『私なんか』って言ったから、罰ゲーム!」



「あっ······

罰ゲームって、何をするんですか?」



「白石、お前は頭が良い!トップを狙える!」



「むっ、無理です!」



「無理じゃないよ。
だって、白石、数学苦手だろ?」



先生は、優しく、語りかける様に言う



「苦手です......」




「先生が、補習してあげるよ!
理科、いっつも1番だから、きっと、大丈夫だ!」




理科も苦手だけど、先生の担当だから頑張ってるんですよ······?




「それなりには、教えてやれるから、一緒に頑張ろうな!」




『一緒に』その言葉は、初めて言われたから、少し戸惑っちゃったけど、凄く嬉しいです!




初めてが先生で!



















ん?でも、2人っきりっていう事ですよね!!!







大変です!!!!



心臓が持たないです......



「じゃあ、明日と明後日の放課後、教室で待ってろ」




「はい!」



意識しなくても、つい、笑顔になってしまいます...♪



「逃げ出すなよ?」



「もっ、もちろんです!」





「先生、何をしとるんですか?」



「おお!五十嵐!
あぁ、今、白石と話してたんだ」








「......出て行って下さい......」



「あっ、ごめんな!頑張れよ」



あっ、先生、帰っちゃった......



「のっ、飲み物、ありがとうございます...」




「白石さんは、先生のことが好きなんやね......」



「えっ......///」



「やっぱり、そうなんやな」



五十嵐くん、なんか、いつもと違う......?




「そんなの、無理に決まっとるやん!!」



「はい......でも、こうやって、一緒に居れるだけで良いんです...」




「俺、諦めてへんから」



「えっ......」


「いつでも、待っとるから!」




その言葉は、普通の女の子だったら、誰でもキュンとするのかもしれません



でも、私の頭は、あの人に占領されているんです.........








──── 翌日のホームルーム




「今日は、出し物を決めます......」





『どうせ、また喧嘩になるんだろ〜』


『だよね〜、もう、何でも良くない?』




どうしましょう......


こういう時、五十嵐くんは、しっかり決められてるんでしょうね.........









「なぁ!先生、提案があるんだ!」


『何〜?』



「男女の意見を採用して、メイド&執事喫茶!!」


『············』



「やっぱり、駄目かな...?」


先生、また困ってる。どうしよう......


『先生!私は、良いと思うよ?』


そう言って、立ち上がったのは、学年で1番カワイイ子でした




『皆も、そうおもわない?』


『俺も、さんせーい!』

『私も!』

『俺も!』




皆、賛同してくれました......


さすが、先生です......



「では、メイド&執事喫茶で良いですか?」




『はーい!』


『あっ、そしたら、先生の執事姿見られんじゃーん♪』




「えっ?そうなのか?」



『ヤッター!』



クラスの女子が、喜んでいます


嬉しいですけど、少し、胸が苦しいです......






次は、移動教室です



あっ、先生、女の子たちに囲まれてる......


やっぱり、モテるんですね......





『あっ、先生、ネクタイ曲がってる〜』


「本当だ!」


『私が直してあげる♡』


「ありがとう」


先生、知っていますか?


先生の笑顔は、誰でも恋に落ちてしまう、魔法の笑顔なんですよ?


『先生カワイイ〜♪』


「こら、教師をからかうんじゃないぞ!」


『ねぇ、先生!今度、私とデートしてよ♪』

『私も!』

『私も〜!』


わっ、皆、凄いです!尊敬しちゃいます!


でも、変です


風邪でもないのに、苦しいです


今にも、倒れてしまいそうなくらい




そうして、じっと見てると......



「ほら、お前ら次、移動教室だろ?
白石を見習って、早く行けよ?」


『はーい♪』




そう言って、先生は、私に笑顔を向けた


そんな笑顔だったら、もっと好きになっちゃいますよ......









先生は、私が好きでも、良いですか?



今日の放課後は、先生との約束のために、教室に残っています




さっき、トイレで確認したけど、大丈夫かな......?


午前中の女の子たちみたいに、頑張らないと!









『ガラッ』



「おっ、白石、早いな〜!」



「きょっ、今日から、おっ、お願いしまふっ!/////」



かっ、噛んじゃいました〜!


先生の前なのに.........///


穴があったら入りたいです


「ふふっ、よろしくな!」



先生の笑顔は、この、夏の太陽に負けてなくて、とても爽やかです......



「じゃあ、早速始めるか!」



「はっ、はい!」


席に着いて分かったけど、2人で1つの机に座ると、近いです〜//////



私、心臓が鳴り止まないんですけど//////



「白石?どうかした?」



「だっ、大丈夫です!///」



「そうか、無理するなよ」


「はい......」



「先生、プリント作ったから、これ、解いてみて?」


「分かりました...」


あっ、全部手書きだ


先生、1夜でやってくれたのかな


こんなに量あるのに......


しかも、解説まで書いてる......



「......先生」



「分からない所あったか?」



「いえ......
ありがとうございます!」



「これくらい、全然だよ
これで、白石が伸びてくれれば、俺はそれで良いんだ」




「私、頑張ります!!」



「あぁ、先生も頑張るよ!」




どうしよう、分からないです......!



先生に聞きたいけど、全然聴けないです...



「白石、ここの問題はな、コツがあるんだ」




「コツ...ですか?」




「あぁ!」



先生は、楽しそうに黒板を使って説明をする



こんな先生をみると、私まで元気が出てくるんですよ?



「わかったか?」




「...はい」


先生の説明、凄く分かりやすいです!


先生は、何をしても完璧なんです!


「やっぱり、白石は、上達が早いな!」



「そんなことないです!」



「そうか?さっきまで、全然解けなかったのに、すごいよ!」



「......先生のお陰です...」



「ありがとう!白石、優しいな!」



「おっ、さすが白石!もう終わったのか!」


「はい......。一応......。」


「すごいな!全問正解だよ!」


「良かった.........」


数学は、とても苦手だけど、先生が居るから、少し頑張れました!









「じゃあ、ご褒美だな!何が良い?
何でも良いぞ!」



「えっと.........

じゃあ、先生の事、知りたい......です...」



「先生の事なんかで良いのか!?」


「......はい」


恥ずかしい〜!

でも、勇気を出して言えました!


「じゃあ、先生のとっておきの場所に行こう!」


「とっておきの場所?」


「うん!着いてからのお楽しみ!
バレたらマズイから、裏門で待ってて」


「はい!」


「先生...まだかな.........」


あっ、あれ.........?



「白石、ごめんね。遅くなって」



「全然大丈夫です」


「校長先生に捕まっちゃってね〜」


「お仕事、お疲れ様です」


「あっ、ありがとう!
そんな事言われたの、久し振りだな......」



先生、何でそんな愛しそう(カナシソウ)な目をするんですか?



「じゃあ、行こっか!」


「はい」




車内は、先生の香りがして、先生に包み込まれているような気がした



「白石、本当は五十嵐と付き合ってないだろ?」


「えっ.........!」


「なんか、他に好きな人いそうだからさ」


「............」


言えない。

先生が好きだって.........


「ご、ごめんな!変な意味で言ったんじゃないんだ!」


「.........嘘です」


「えっ?」


「付き合ってる事、嘘です!」


「白石.........」


「せっ、先生には、誤解されたくない......です............」


「ありがとう。先生に言ってくれて」


「.........はい.........////」