「ちょっと 俺の話きいてた? まったく、これだから花理は。」 フゥっとため息まじりに 優しい笑顔でそう言うと、 若林くんは私の席を見た。 「やっぱり花理は1番後ろの席か。」 『うん、 教室の1番窓側の1番後ろっ てもう慣れちゃった。』 「“わたらい”だもんね。 出席番号順じゃ、仕方ないか。 羨ましいな。」 口を尖らせる若林くんがかわいくてつい、 ふふっ と笑いがこぼれてしまう。