『ほら、この間、
好きじゃないのに付き合ってていいかって
話になったでしょ？』
「あー、友達の恋愛相談とか
言ってたやつな。」
あ、そういえば
そんなことになってたっけ。
まあこのまま流すか。
『そ、そう。
それでね、その子、
なり子ちゃんっていうんだけどね。』
「なり子？」
げ。
もしやバレた？
はなり→なり→なり子っていう
単純な理由で作った名前。
「変わった名前だな。」
大丈夫だ。こいつ結構鈍い。うん。
『それで、
そのなり子ちゃんは彼氏に別れようって
言ったらしいんだけど、
彼氏はなり子ちゃんが
自分のこと好きじゃないって
わかってたらしくて。
それも踏まえて、
これからも付き合ってほしいって。
そう言ったんだって。』
「へー。」
