「俺も食べたい、これ。」




「で、このチラシ持って行かなきゃ


半額にはならない。」




「プラス、誰か女を


連れて行かなきゃならない。」












「言いたいこと、わかるよね?



花理ちゃん」





ニコッという効果音がピッタリだな、


今のキミの顔には。





NOとは言わせないって




顔に書いてあるよ、ばか。








まあこのチラシ私は持ってないし、



ってことは若林くんと行っても意味ないし。





というか、



若林くんバイトあるだろうし、



そこまで迷惑かけたくないし…。








『………………仕方ないなあ。




いいよ。今回だけ!特別だからね。』





「あほ、俺が苦渋の決断で


花理を誘ったってことぐらい察しろよな。」







『はあ!?』




「ただでさえいつ噛みつかれるか


わからねーのに、


メロンパンの為に俺は命張って


凶暴ゴリラを誘った。偉いな俺。」






うんうん、泣けてきた。


なんてバカみたいなことを言いながら


目に手を当てる仕草をしてみせる


このバカ男。






ったく、こいつは……!!!!!!





『あんたねえ!!!!!』




「もりのー!ちょっときてー!


この子が呼んでるー!」






私の頭からマグマが出そうになった瞬間。




廊下にいる男子が大声で森野優を呼んだ。





ちっ。



いいとこで命拾いしたわね。