『冨永さんに頼まれたんだ。智也のこと』

『何、を』


『ちゃんと、中村のお父さんになってくださいってさ』



悲しいとか、そんな気持ちを抱く余裕なんて無かった。

目の前のことを理解するのに精一杯で



でも、俺は多分分かっていた。



『冨永さんは亡くなった。冨永病院だ。覚えてるか?』