置いていった筈のコートも、スマホも 家中の七瀬の物は、ある日起きたら全て無くなっていた。 俺の生活に必要な物を残して 七瀬は何もかも 自分の痕跡を消していってしまった。 七瀬の影を追おうとしても手掛かりが何もなかった。 情けない。 俺は七瀬のことを何も知らなかったと思い知った。