「中村」




夜に反響する心地好い声が俺を引き留める。





分かっていた。

こうなることが分かっていて利用する俺はやっぱり嫌な奴なんだと思う。



でも七瀬に呼び止められたことが、嬉しい。





「何?早く中入れって」