口から滑り落ちた言葉に七瀬は一瞬驚いたような顔をする。 俺も大概、七瀬の変化には敏感だ。 「嘘だよ。冷えるから、早く中入れな?」 「……うん」 別にずっと七瀬といたい訳じゃない。 いられる訳がない。 さっきのは冗談 帰り際のユーモアだ。 そう。 これはただの嘘。