「ま、悪くはないな」 「素直じゃないね」 「スゲー楽しースゲースゲー」 「棒読み」 私は中村の対面に戻る。 テーブルを挟んで二人の距離は広がったけど、今までより少し感覚が近付いた気がした。 ドロトロとしたチョコレートは最後まで流動性を保ったまま 部屋中にその匂いを放っていた。