私の顔を見て、中村が全然残念そうじゃないじゃねぇかとぼやく。


当然だ。

私は残念と思わないのだから。




「楽しいでしょ?これも」




頭の後ろの少し伸びた髪の毛に指を通しながら言う。


私の部屋で、二人でバレンタインデーにチョコレートフォンデュをした。

これって凄く貴重な経験だと思うんだ。