背中に回された手と、俺の頭を押さえつける手 七瀬の肩に顔を埋めるようにして座る俺は、だんだんと七瀬の肩を濡らしていく。 思えばずっと泣いていなかった。 泣くのはいつも珠里 悪いのは俺 周りを頼れない環境 慣れたと思っていた環境で 俺はただ我慢していただけだった。 母さんが死んでから初めて 俺は声を上げて泣いた。