いつもさらさらな、艶のある長い黒髪が目の前を覆った。


仄かに香る七瀬の匂いが俺の心を落ち着かせる。




この温かさに、静かさに
何度救われたか分からない。




七瀬は華奢だ。

強く力をいれたら折れてしまいそうな細い腰に腕を回して、壊さないようにすがり付いた。